戻る

惑星 εTau b (epsilon Tauri b) の解説

散開星団で初めて発見された系外惑星、日本で発見

主星名
(カタログ名)
惑星名
(記号表記)
惑星の質量
(木星質量)
惑星の質量
(地球質量)
公転周期(日) 軌道長半径
(天文単位)
発見(年) 星座名 星座名の意味 可視性 V等級
epsilon Tauri epsilon Tauri b 7.6 2415.5 594.9 1.93 2007 Taurus
おうし
The Bull Visible to the naked eye 3.5

εTau b
 ε Tau b (おうし座イプシロン星 b)は、肉眼でも見える明るさ3.5等の赤色巨星を周る巨大ガス惑星です。この惑星は2007年に岡山天体物理観測所188cm望遠鏡にて検出されました。質量は木星の7.7倍、太陽の2.7倍という比較的重い中心星からおよそ1.9天文単位の距離を約600日かけて一周しています。

 この中心星はヒアデス星団という散開星団(若い恒星の集団)に属しており、星団内の恒星に惑星が存在する初めての証拠となりました。かつて、アメリカの観測チームがヒアデス星団内の94個の主系列星について惑星探索を行っていましたが、一つも発見できませんでした。これに対して主系列段階を終えて赤色巨星に進化した恒星4つを探索したうち、1つに惑星がいた、ということが大きな議論を呼びました。

 現在では観測精度や探索規模が充実してきて、ヒアデス星団、他にもプレセペ星団などの主系列星周りにも惑星が検出されてきており、理論的にも散開星団で惑星が形成可能であることがわかってきました。

文責:原川紘季(国立天文台)

参考ページ:岡山天体物理観測所・研究成果の紹介「おうし座に巨大惑星を発見」
http://www.oao.nao.ac.jp/public/research/hyades/


戻る





日本天文協議会 IAU太陽系外惑星系命名支援WG